グローバルで研究者を支援する科学コミュニケーションおよびテクノロジー企業であるカクタス・コミュニケーションズ(Cactus Communications、本社:インド、以下:カクタス)は、女性活躍推進法に基づく「女性の活躍推進に関する取り組みの実施状況などが優良な企業」として、「えるぼし認定」の最高位である
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~助成の申請資格年齢を35歳から40歳に引き上げ、申請期限を2023年 1月31日(火)から2月28日(火)に延長することを決定~ 研究者を支援する科学コミュニケーションズ&テクノロジー企業であるカクタス・コミュニケーションズ(Cactus Communications、本社:インド・ムンバイ)は、同社が創設したカクタス財団が日本の若手研究者を支援するエディテージ助成金(Editage Grant)プログラムの応募条件の一部を更新し、同プログラムの対象年齢を現行の35歳から40歳に引き上げ、申請期限を2023年1月31日(火)から2月28日(火)に延長することを本日発表しました。これにより、より多くの研究者がエディテージ助成金(Editage Grant)プログラムに応募できるようになります。 エディテージ・グラントメインサイトhttps://bit.ly/editage_grant 【助成金プログラムの応募条件更新の背景】 エディテージ助成金は、日本の研究者コミュニティへの還元を目的とし、若手研究者のキャリアを支援し、彼らの研究活動を促進するためのプラットフォームを提供します。また、研究者としての成功をサポートするためのツールや、エディテージが独自に開発した研究者のためのプラットフォームを提供します。 カクタスは、昨年11月2日にエディテージ助成金プログラムを正式発表し、その後、日本のアカデミア業界の関係者から、本プログラムについて様々な意見を聞く機会を持ちました。その中には、現在日本の研究者が抱える経済問題など、35~40歳代の研究者が置かれている厳しい環境の問題がありました。そのため、35~40歳代の研究者への支援も考慮に入れるべきと判断し、助成対象年齢を40歳まで引き上げ、2023年2月28日までの申請期限を延長することを決定しました。 助成対象者は以下の全ての条件を満たす方が対象となります。 年齢:2022年11月1日の段階で、満年齢が22歳以上40歳以下であること。 経験:修士号またはそれに相当する高等研究課程を修了していること。 研究活動:応募書類及びエッセイに記載された研究活動は、過去3年以内に実施・管理されたものであること。 その他:これまでに論文を投稿していない方や、資金援助を受けていない方、2023年4月26日までの過去365日間に資金援助を受ける予定のない方が優先されます。 応募者は、2023年2023年2月28日(火)までに応募書類を提出する必要があります。全応募者の中から20名のファイナリストが選出され、上位5名には助成金100万円が授与されます。また、次点の15名には、合計10万円分のエディテージサービスクーポンが贈呈されます。受給者の発表は、本年4月後半を予定しています。エディテージ助成金プログラムおよび助成金応募申請に関する詳細は、こちらをご参照ください。
~この新しいサービスにより、ユーザは研究論文の英文校正で自身の研究分野に一番近い経歴や経験を持つ校正者を自分自身で選ぶことが可能に~ グローバルで研究者を支援する科学コミュニケーションおよびテクノロジー企業であるカクタス・コミュニケーションズ(Cactus Communications Pvt. Ltd.、本社:インド、以下:カクタス)は、カクタスの旗艦ブランドであるエディテージの英文校正サービスで、担当校正者を研究者自身が選べる「校正者指名サービス」をエディテージのオプションサービスとして新たに追加、他国での提供に先駆け、日本での提供を12月8日 (木) に開始したことを本日発表しました。 研究者自身が担当校正者を選べる「校正者指名サービス」URL: www.editage.jp/editor-booking 「校正者指名サービス」を利用することで、校正者の学歴、専門分野、経験、他のお客様からの評判などの情報を開示され、ユーザは分野別の経歴や経験、過去の顧客からの評価などに基づいて校正者のプロフィールをチェックし、自身の研究分野に一番近い最適な校正者を選択することができます。※本サービスは有料オプションサービスです。 今日の研究の世界では、学際的、分野横断的な研究が増え、同時に技術的な進歩も著しくなっています。校正者が技術的かつ専門的な観点から論文の内容を理解すればするほど、よりクオリティの高い校正・編集が可能になり、論文の品質が決定づけられます。 「校正者指名サービス」について、カクタスの日本法人代表取締役であるである湯浅 誠は、次のように述べています。「「自分の論文を担当する校正者を選びたい」というのは、エディテージのお客様からの長年の願いでした。エディテージでは、お客様の論文テーマと最もマッチした最適な校正者を割り当てるインテリジェントシステムを導入しています。しかし、「自分で校正者を選びたい」というお客様のリクエストも以前からありました。 システム上、お客様のご注文のタイミングで、その瞬間に対応可能な校正者を特定することは容易ではありません。しかし、エディテージには3,000人という非常に多くのプロフェッショナルな校正者が在籍しており、彼らの詳細な経歴や仕事の状況などの膨大なデータは、当社の開発した独自システム上で厳密に管理されています。当社が開発したこの独自システムにより、仕事を発注するお客様のために、レベルの高い校正者を前もって表示することができるのです。」 「校正者指名サービス」はエディテージ有料オプションサービスです。利用範囲並びに利用料金は以下の通りです。 【利用可能なサービスと料金】 エディテージ通常のお客様 Prime Pack会員のお客様 Book My Editor サービス利用範囲 ・プレミアム英文校正 ・トップジャーナル英文校正 (※スタンダード英文校正は対象外) ・スタンダード英文校正 ・プレミアム英文校正 ・トップジャーナル英文校正 利用料金 1回の指名につき4,500円 無料(年間3回まで) 3回目以降は4,500円/回 【ご利用条件と注意事項】 特定の校正者の予約状況は変動しているため、ご指名には時間制限がございます。また、表示される校正者は一部の校正者に限り、すべてのおすすめ校正者が表示される訳ではございません。ご発注のタイミングでリストに表示されない校正者のご指名はできかねますことをご了承ください。 ご指名のタイミングによっては、お選びいただいた校正者の予約ができない場合がございます。その場合は通常通りエディテージがお客様の原稿にピッタリあった校正者校正者リストの料金はチャージされませんのでご安心ください。 校正者の指名は、1回目の校正時のみに適用されます。同じ原稿の再校正をご依頼いただいた際にはなるべく同一の校正者が担当いたしますが、ご依頼のタイミングによっては異なる校正者が再校正を担当する場合がございます。
~本パートナーシップにより、日本の研究者はアカデミストのクラウドファンディングを通じて研究費削減に関する問題を解決し、より多くの研究活動を行うことが可能に~ グローバルで研究者を支援する科学コミュニケーションおよびテクノロジー企業であるカクタス・コミュニケーションズ(Cactus Communications、本社:インド、以下:カクタス)は、研究者に研究資金調達の機会を提供し、より多くの研究プロジェクトを促進することを目的に、クラウドファンディングサービス「academist」を運営するアカデミスト株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役 CEO:柴藤亮介、以下アカデミスト))とパートナーシップ契約を締結したことを本日発表しました。 日本の研究者は資金調達に問題を抱えており、クラウドファンディングは研究者が資金調達するための新しい手段であると同時に、研究活動促進によるサイエンスコミュニケーションの一助となります。本パートナーシップでは、カクタスの旗艦ブランドであるエディテージを利用する日本の研究者に向けてアカデミストが提供するクラウドファンディングサービスacademistの認知を高めるとともに、アカデミストのプラットフォームを通じてエディテージに関するプロモーションを実施するなど、様々な活動を共同で行います。パートナーシップ概要および本パートナーシップによる具体的な顧客へのメリットは以下の通りです。 【パートナーシップ概要】 カクタスとアカデミストは、互いのサービスをそれぞれのユーザーに周知することに加えて、研究者コミュニティ向けのプロジェクトを共同で実施します。 【パートナーシップによる具体的な顧客メリット】 カクタスの顧客には、研究費獲得のためのクラウドファンディング導入支援と情報、ノウハウが提供されます。 アカデミストの顧客には、論文出版の際のエディテージのサービス割引と、プロジェクトの情報拡散支援などが提供されます。 アカデミストとの提携について、カクタスの日本法人代表取締役であるである湯浅 誠は、次のように述べています。「アカデミスト様とパートナーシップを締結できたことを大変嬉しく思います。日本の研究コミュニティが直面している大きな課題の1つは、「研究費削減」です。この問題に対処するために、今後はアカデミスト様と協力し、クラウドファンディングサービス「academist」および当社「エディテージ」の認知・利用を促し、資金調達と研究普及の両方において、より多くの機会を日本の研究者に提供したいと考えています。同時に国からの研究費以外の民間外部資金獲得の可能性と研究情報発信の重要性についても発信していきたいです。」 アカデミストの代表取締役CEO 柴藤 亮介氏は、次のように述べています。「社会の一員として、私たちは、未来をより良くするために、あらゆる分野の研究を推進する必要があります。研究活動における環境悪化が指摘されている現在、社会が団結し研究者が研究を継続できるように支援することが不可欠です。今回、カクタス様の協力が得られたことは大きな成果だと思います。また、日本の若手研究者を支援するカクタス様のエディテージ・グラント(若手研究者向け助成・支援プログラム)にも期待しており、優れた研究アイデアが実用化されるよう、できるだけ多くの方々にエディテージ・グラントに参画し、助成金を提供いただきたいと願っています。」 エディテージ・グラント(若手研究者向け助成・支援プログラム)とは、カクタスが日本の若手研究者支援を目的に開始した研究助成プログラムです(2022年11月2日発表)。この支援プログラムでは、日本の若手研究者の研究活動を推進し、彼らの初めての研究事業の立ち上げならびに研究者として国際的なリーダーシップスキルの獲得を支援すべく、5名の優秀な若手研究者を選出し、1人につき100万円の助成金を贈呈します。
~5人の若手研究者に、プロジェクト始動の資金としてそれぞれ100万円を提供~ 研究者を支援する科学コミュニケーションズ&テクノロジー企業であるカクタス・コミュニケーションズ(Cactus Communications、本社:インド・ムンバイ)は、同社が創設したカクタス財団が日本の若手研究者を支援するエディテージ助成金(Editage Grant)プログラムを開始したことを本日発表しました。この支援プログラムでは、日本の若手研究者の研究活動を推進し、彼らの初めての研究事業の立ち上げならびに研究者として国際的なリーダーシップスキルの獲得を支援すべく、5名の優秀な若手研究者を選出し、1人につき100万円の助成金を贈呈するものです。 エディテージ・グラントメインサイトhttps://bit.ly/editage_grant カクタスCEO兼共同創業者のアビシェック・ゴエル(Abhishek Goel)は、エディテージ助成金プログラムの開始に際し、次のように述べています。「この数十年の間、科学研究は著しく活発になり、多くの若手研究者がこの分野に取り組むようになりました。過去20年間において、この分野は進化を続けてきましたが、今なお若手研究者は、長時間を費やすにもかかわらず、キャリアの将来性が制限され、また低賃金のために極めて多くのストレスを受けている例が少なくありません。当社は日本でも事業を展開していますが、エディテージ助成金事業によって、日本の若い才能を育て、そのキャリアの重要な期間における最初の研究プロジェクトの立ち上げを支援したいと考えております」 世界をリードする科学コミュニケーションズ&テクノロジー企業であるカクタスは、日本で事業を開始しました。カクタスの旗艦ブランドであるエディテージは、本年でサービス開始してから20周年を迎えましたが、英文校正、翻訳、文字起こし、出版支援サービスを通じて、2,000を超える分野の学術誌で、約 200 万の研究論文を出版する50万人の研究者をグローバルに支援してきました。エディテージ助成金は、日本の研究者コミュニティへの還元を目的とし、若手研究者のキャリアを支援し、彼らの研究活動を促進するためのプラットフォームを提供します。また、この学術研究育成をさらに促進するため、エディテージでは、選ばれた研究者にワークショップ、セミナー、講座、1対1のメンターシップなどの機会を提供します。 カクタスのエディテージ・リージョナル・マーケティング・ディレクターである湯浅 誠は、次のように述べています。「日本の研究コミュニティが直面している大きな課題の1つは、若手研究者へのサポート不足です。この問題に対処するために、当社は2016年にエディテージ・エッジ・プログラムを開始しましたが、これをさらに進化させます。エディテージ助成金事業の開始により、より良い資金援助およびエディテージやResearcher.Lifeサービスの提供を通じて、ミレニアル世代の研究アイデアを形にし、学術界のグローバルリーダーになることを目指して彼らの最初の研究活動始動を後押したいと考えています。」 本助成金の対象者は、2022年11月1日の時点で年齢は22~35歳以内で、修士号またはそれに相当する高等研究資格を有する方です。2023年4月26日以前の過去365日において、ほとんど資金援助を受けていない応募者を優先します。 応募者は、2023年1月31日までに応募書類を提出する必要があります。最終選考に残った20名のうち、5名に現金100万円を、15名に10万円のクーポンが贈られます。このクーポンは、エディテージのサービスで利用することができます。エディテージ助成金プログラムおよび助成金応募申請に関する詳細は、こちらをご参照ください。
~今年のテーマは、「気候正義のためのオープンデータ(Open for Climate Justice)」および 「気候変動をめぐるオープンアクセスの重要性」~ 研究者を支援する科学コミュニケーションズ&テクノロジー企業であるカクタス・コミュニケーションズ(カクタス) は、オープンアクセスに関する最大規模の学術出版イベント「インターナショナル・オープンアクセスウィーク2022」を10月24日(月)から30日(日)迄の期間、オンライン開催することを本日発表しました。 「気候正義のためのオープンデータ(Open for Climate Justice)」をテーマにした今年のバーチャルイベントでは、オープンアクセス(OA)および気候正義の重要性についての認識や理解を深めることを目的に、知識プロデューサー(研究者)および知識ディストリビューター(出版社)を招待して開催します。また、今年のオープンアクセスウィークは、カクタスの3つのブランド、 エディテージ、 Impact Science、R Discovery のほか、オープンアクセス書籍の最初の科学出版社であり現在では学際的研究のオープンアクセス雑誌を出版するインテックオープン(IntechOpen) と世界的な大手出版社であるブリル(Brill)の2社がイベントパートナーとして参加します。 カクタスCEO兼共同創業者のアビシェック・ゴエル(Abhishek Goel)は、次のように述べています。 「気候変動は、様々な利害関係者の行動を必要とする深刻な地球規模の危機です。研究を通じて知識を追求し、これを活用することは、この問題に取り組む戦略を考える上で極めて重要な役割を果たすことになります。したがって、科学文献に対するオープンアクセスを構築することが不可欠です。今年のインターナショナル・オープンアクセスウィークでは、気候正義に焦点を置き、気候変動と世界的なオープンアクセス社会における結束と協力を促進することを目的としています」 インターナショナル・オープンアクセスウィークは、2008年から毎年10月に、オープンアクセスウィーク諮問委員会との連携により、学術出版アカデミックリソース連盟(Scholarly Publishing and Academic Resources Coalition(SPARC))が主催で開催している世界的なバーチャルイベントです。このイベントは、学術界にとって、オープンアクセスの重要性と有益性を学び、オープンアクセスに関する方針における最近の進展について話合い、オープンアクセスがその解決のために役立つ科学的・社会的課題についての見解を共有する機会になります。 このイベントを通じて、研究者たちは、気候関連研究をオープンアクセスで発表する重要性について理解を深めるとともに、オープンアクセスについての知識を深め、オープンアクセス誌で発表する方法について専門家の指導を受けることができます。出版社は、研究内容をオープンアクセスにすることで気候変動対策に貢献する方法、オープンアクセス出版における地域差を克服する方法、同様の世界的危機とその対策にオープンアクセスが果たした役割などについて見識を深めることができます。 1週間のイベントの期間中、カクタスは、インテックオープン(IntechOpen)およびブリル(Brill)と共に、Alison Mudditt (CEO、 PLOS)、 Stephanie Veldman (オープンリサーチ長、ブリル)、Rachel Martin (サステナビリティ・ディレクター、エルゼビア)などの業界専門家を招いたパネルディスカッションやビデオインタビューなど多くのインタラクティブな企画を実施するほか、研究者や出版社向けに、オープンアクセスに関する記事を発表していく予定です。オープンアクセスウィーク2022のバーチャルセッションおよびイベントは、専用フォームからご登録いただくことで、どなたでも無料でご参加、ご視聴いただけます。 インターナショナル・オープンアクセスウィーク2022へのご登録は、https://bit.ly/3VrD9yg で受け付けています。
(湯浅 誠/カクタス・コミュニケーションズ株式会社 代表取締役) 10月12日に今年もTHE大学ランキング2023が発表されました。このランキングの日本・中国・韓国の動向をを詳しく追いレビューを発表し始めて今年で5年目です。昨年書いたレビュー記事を自分で読み直しましたが、昨年と今年では大きな流れに違いはないと思いました。中国勢が引き続き勢いを伸ばし、日本は若干後退、韓国は全体ではなく、個々の大学が奮闘しているという感じです。 今年は去年より更に、THE大学ランキングへのマスコミの関心が薄い気がしています。毎年ランキングがリリースされた翌日にはある程度の関連記事が掲載されるのですが、今年はほとんどの記事がただファクトを簡潔に述べているだけで、日本の大学に向けて何かメッセージを発信している記事は見かけませんでした。いよいよ申請が開始する「大学ファンド」はこの大学ランキングの向上を目標にしているのですから、時期的なことを考えるともう少し高い関心があってもいいのではないかと思ってしまいました。今年の私のレビュー記事では、これまでのように全体比較をしてもあまり新規性はないと思いますので、マイクロ視点で気になるポイントを押さえておきたいと思います。 中国は100位に7大学がランクイン!注目すべきは飛躍を遂げた5大学 ちなみに、私は毎年THE大学ランキングが出ると、トップ大学のデータを手入力でExcelに入れてストックしています。過去4年のデータが蓄積されているエクセルを引っ張り出して今年のデータを入力すると、トレンドの変化がすぐわかるようになりました。まず気になったのはやはり中国勢です。 これまでは中国のツートップである清華大学(16位)と北京大学(17位)がうなぎ上りにランキングを上げていて、今回も現状維持とは言え文字通り世界トップクラスの順位です。今回注目すべきは、その後を追いかけている復旦大学、上海交通大学、浙江大学、中国科学技術大学、南京大学の大きな躍進です。 この5大学は5年前頃から上位200位にランクインしています(世界大学ランキングでは200位以下はまとめて発表されるためトップ大学は200位以内へのランクインを目指しています)。今年は復旦大学が60位→51位、上海交通大学はなんと84位→52位、浙江大学は75→67位、中国科学技術大学は88位→74位、最後に南京大学は105位→95位と念願の100位以内を実現しました。比較対象として日本の最高学府である東京大学は39位、京都大学は68位なので、中国のトップ5大学は京都大学より高い順位です。このレベルにランクインするためには、小手先の戦術を駆使しても達成できません。つまり、この5大学は教育と研究力で本当の意味で実力を上げた大学であると認識できます。 このシリーズで何度も言及してきたように、故安倍晋三氏が首相在任中に「日本の大学を世界大学ランキング100位内に10大学ランクインを目標にする」と掲げられていました。この目標は非現実的に聞こえたものですが、中国は今、既に7大学がランクインしています。200位以内には更に4大学(南方科技大学、武漢大学、華中科技大学、四川大学)が入っていますので、これらの大学が将来100位以内に入る可能性も否定できません。武漢大学がウィルス学で先端技術大学になるという、冗談ではない話が起きるのが中国だと思います。 教育と研究スコアのアップは、中国の着実な実力向上の現れ ではこの5大学、一体どのスコアが改善しているのでしょうか?教育、研究、被引用論分、産業収入、国際性の5つのスコアを詳しく深掘りし、紐解いてみたいと思います。今年と去年の数字を以下比較していきます。 2023 2022 増減比較 まず「被引用論文」スコアから見てみましょう。総じて中国の方が日本より高いですが、上の表で見ると、一部大学を除いて、去年と今年のランクアップの要因としては大きな影響を与えるほどの変化はありません。「中国は財力を背景に海外からスーパー研究者を雇用して被引用数を稼ぐ事で順位を上げている」という仮説をよく聞きますが、 このデータを見ると、被引用数の急激なアップが要因とは考えにくいです。「国際性」はコロナの影響で外国人留学生の受け入れが困難であったと思われるため、殆どがマイナスです。「産業収入」も、そもそもが高いためほぼ昨年と同じです。 私が注目したのは、「教育」と「研究」の2つのスコアです。増減比較表をみていただくとわかる通り、これらの5つの大学は、大学の根幹である教育と研究を着実に伸ばしており、それがランキングアップにもっとも大きな影響を与えているようです。「ランキングなどという指標に踊らされる事なく、本質的な部分にあたる教育と研究に力を入れるべきだ。その結果としてランキングは自然とついてくる」いう意見はよく聞かれますが、中国はその言葉通りにじわじわと本質的な大学としての実力を上げているのではないか?と私は感じました。「研究」は獲得研究費も指標の一つに入っているので注意が必要ですが、中国の大学を実際に訪問してインタビューをしてきた実感からも、お金だけの差でないことは確実に言えます。 弊社でもエディテージは中国市場で破竹の勢いで売上を伸ばしており、中国の研究活動量の多さを日々実感しています。この中国勢の勢いはまだまだ続きそうです。 これぞ韓国の真骨頂!私立大学の雄、延世大学の底力 「中国の話を長々と説明されても、予算規模や国の方針、人材が日本と違いすぎて参考にならない」。そんなお声をいただくと思いました。毎年同じ展開ですが、中国の次はお隣韓国の大学を見てみたいと思います。 韓国は去年と同様にトップ200位以内に6大学がランクインしています。顔ぶれも全く同じで、ランキングが若干上がった下がった程度の大学が大半です。そんな中、今年の注目ポイントは名門私立大学である延世大学の大躍進です!なんと、昨年の151位から78位と73位も順位を上げています!さっそく延世大学の過去5年のデータを見て、どこを改善したかを可視化していきましょう。 延世大学のランキング推移 教育、研究、被引用論文全てが改善傾向ですが、2022と2023で信じられない規模で改善しています。教育が12.1、研究が10.7、被引用論文が8.2もスコアが改善しています。2019年から年々少しずつ改善を重ねていますが、今回は本当に飛び抜けています。一体何が起きたのかとても気になります。数年前に一度延世大学にインタビューを行ったのですが、今回の劇的ランクアップを踏まえて、再度お話を聞いてみたいという思いが強くなりました。 延世大学もコロナの影響で国際性が下がっていますが、それでも国際性スコアは日中韓の大学の中でトップクラスです。ただ産業収入と国際性は過去5年の数字を比較しても大差はありません。既にこれ以上上げるのが厳しいレベルにいると思われます。 日本が参考にしやすいのは延世大学のような満遍なく実績を伸ばしている大学の事例でしょう。「韓国の大学は財閥などが入って産業収入が大幅に伸びているし、一点集中的なスコアの伸ばし方は参考にならないのではないか?」という意見もあるかと思います。私も以前はそう思っていましたが、実際に延世大学を取材した際に副学長の方から「私達は成均館大学のように大手財閥から多額の資金援助を受けているわけでも、ソウル大学のように国から援助を受けている訳でもなく、学費や自分達で獲得してきた資金で運営している、決して潤沢な資金ではない私立大学です」と伺い、印象を改めました。産業資金が入りやすいお国柄ではありますが、日本のトップ大学との資金に大きな差がある訳ではありません。その中で、着々と他のスコアを改善している延世大学の事例は参考になると思います。 おわりに 去年は被引用論文に焦点を当てた記事を作成しましたが、今回は総合力を上げている大学について取り上げました。とはいえ研究力アップを着実に行えば被引用論文指標は改善するので、この二つは連動しています。教育は研究の担い手(若手研究者)を育てるので、当然教育に力を入れると次第に研究力もあがっていきます。5年というスパンで変化を辿ると、ランキングを着々と上げている中国・韓国の大学は、一過性ではない本当の意味での底力をつけている事実が見えてきます。 THEは来年からランキング指標を変更します。一番の変更点は日本の弱点である被引用論文指標だそうです。弊社では今年前半にウェビナーを開催し、THEのChief Data OfficerであるDuncan Ross氏に指標変更について共有いただける情報をお話いただきました。次回の指標改定は日本の旧帝国大学に有利に働くと解釈していますので、来年のランキングを今から楽しみにしています。私の印象では5つの指標のうち被引用論文指標だけがきわめて高い大学は改定の影響を大きく受けると思いますが、今の中国トップ大学や延世大学のように教育と研究の力を着実にあげている大学は恐らくランキングを大きく下げることはないと思います。 個人的には、被引用論文指標よりも英語圏有利な現在の仕組みを変えていく必要があると思います。評価基準が英語なので、当たり前ですが英語圏が有利です。その証拠にアジアでも英語が普及している香港とシンガポールは大学の数が少ないですが、常に総合ランキング上位に来ています。真の教育、研究力を図る万能な指標は存在しないと思いますが、語学面を取り除いた形で勝負できたら、全く違う構想になるのではないでしょうか? 2年後には総額2000~3000億(想定)といわれる追加資金が限られた日本の大学に投入されると思われます。政府は巨額のお金を出す以上各大学には相応の結果を求めます。それは大学ランキングアップなのか、イノベーションの創出なのか?様々な憶測が飛び交っていますし、最初は少ない数のトップ大学のみが対象になるようです。賛否両論あるようですが、常に資金不足を叫んでいる日本の大学のために、研究資金の総量が増えること自体は歓迎したいところです。長期的には研究への国民の関心を高め、アカデミアの方々がよりよい形での資金注入方法を国と話し合い、日本の研究に再び活力を取り戻すお手伝いを、微力ながらできればと思っています。 THE大学ランキングレビューに関するこれまでの記事 【誠のFACT】THE世界大学ランキング2021レビュー〜日本の大学、戦うか闘わざるか、それが問題だ 【誠のFACT】東アジアの中でプレゼンスを失いつつある日本の大学と、ラディカルな経営改革の必要性〜THE世界大学ランキング2020分析〜 【誠のFACT】THE世界大学ランキング2019に見る、アジアにおける日本の立ち位置
