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(湯浅 誠/カクタス・コミュニケーションズ株式会社 代表取締役) 9月19日から開催されるRA協議会第4年次大会で、ランチョンセミナーをやらせていただくのですが、会社のサービスをPRするだけのプロモーションセミナーではなく、ご参加される大学URAの方が多大なる関心を寄せている大学ランキングについて、韓国と中国の事例を挙げながら説明して行きたいと思い、ここ最近本格的に大学ランキングについて勉強をしています。
(湯浅 誠/カクタス・コミュニケーションズ株式会社 代表取締役) 6月末恒例のQ1(第一四半期)総括を行いにインド本社へ出張に来ており、今晩日本へ帰国します。週末なので1日やる事がないという日本ではあり得ない贅沢な時間を使い、ブログ記事を書いています。今週はW杯のポーランド戦があり日本では賛否両論出ていますが、私は何も問題ない戦略なのかなと思いました。事前の評判ではボコボコの3連敗を予測していた当事者でもあるので、決勝ラウンドまで行った事自体が奇跡で、そこまでの辿り着き方に文句をつけるのは少し注文が多すぎると思います。 いつもW杯で話題になるのがこの最初の予選ラウンドを勝ち抜くかどうかですが、今の日本代表で昔から毎回「やるからには優勝を目指す」「最低でもベスト4」と発言されている選手がいますよね?そうそう、本田選手。 残念ながらそこまで行くのはないかなと思いますが、彼の大口叩きは見ていて面白いです。これはスポーツだとすごく違和感を感じる方がいると思いますが、ビジネスではしょっちゅう聞く話です。創業して間もないソフトバンクで孫さんが「俺はいつかこの会社を兆単位の売上にしてやる」と言って呆れた従業員が辞めたのは有名な話です。今でも成長を続けているユニクロの柳井さんも5兆円の売上にすると話されています。我々一般人からすると「そんなの無理に決まっているだろ。一体どうやって実現するんだよ」と先にHOWに焦点を当ててしまいます。同じように「サッカー後進国の日本がどうやって優勝するんだよ?」先に現実を考えてしまいますよね!? 今回このトピックを書こうと思ったきっかけは、インド本社の社長であるアビシェック・ゴエルと一昨日二人でランチミーティングをしていた際にした話題が自分の心に残ったからです。 カクタスグループは現在全世界で700名近くのスタッフを抱えています。創業は2002年で現在16年目です。創業間もない2003年に私はインターンでこのインド本社で働く事になったのですが、その当時は20代前半の若者10名弱でおんぼろの工場から電話回線でネットを使い、停電週1回は当たり前の状況でした。そこから皆で必死に仕事をして、当時ではだいぶグレードのアップした、いわゆる普通のオフィスに移転しました。これが2004年終わりの出来事でした。その時はまだまだ小さいオフィスでしたが、工場からオフィスに格上げされたようで凄く嬉しかったのを今でも鮮明に覚えています。 社員が年々増え続けるのに合わせてオフィスビルの他の部屋をちょこちょこ借りながらなんとか凌いできましたが、とうとう限界が来て、遂に今年新オフィスに移転することになりました。今回のインド訪問がちょうど移転と重なりバタバタでしたが、その合間にアビシェックと二人でランチをしながら過去の話にふけっていました。2フロアで1500坪以上で毎月の家賃も馬鹿になりません。家具から会議室のセットアップなど、かなりの金額を投資しました。 アビシェック曰く、「今回のオフィス移転は今の我々にとって必要な事だった。1フロアに全ての部署が集まる事により無駄がなくなる。また中堅企業らしいサイズのオフィスになり、従業員も会社に対してプライドを持つことが出来る」と、更に「家賃も高いし、海外人材への給料もインドに比べて数倍高い。しかし会社は成長していくし、それを支えるインフラと人材がいるから大丈夫」と。 と同時に、「今成長出来ているから現状維持でいいとか、日本のアカデミアが下降気味だから現状維持で中国に行こうとかは考えないでほしい。日本にもまだまだビジネスチャンスは絶対にあるはず。今はまだ顕在化されていないマーケットを何としても開拓してほしい。いつ何時でも成長する事を忘れないで」と言われました。 彼のその言葉に、私は今日本で大きな成長を遂げ、新しいマーケットを確立したZOZOTOWNの例を話しました。ZOZOTOWNは「ZOZOスーツ」を開発し、オンラインショッピングの一番のペインポイントであるサイズの問題を解消することで、実店舗となんら違いがないオンラインショップを目指している。そしてその社長はとんでもないビジョンの持ち主で、攻めに攻めている、と。実は、ZOZOTOWNの前澤社長は私の地元の中学の輩で、うちの兄の友人でもあったので、私も中学時代の彼を知っていました。抜群に頭が良く、実に変わったユニークな人でした。人懐っこくて素直で愛嬌があったけど、同時に人と同じ事をしない。この人は将来はなにか特別な事をする人になるのだろうなー、と漠然と感じていました。レコードの通販会社を興した時にどのような志を持っていたかわかりませんが、ここまでの成長は彼の「能力」も多分にあったと思う一方、やはり重要なのは「志」の高さだったのではないかと思います。今の企業の姿にどう辿り着くかの「HOW」は、その成長の志を持った社員全員で考え、試行錯誤した結果なのだと思います。 ソフトバンクの孫さんも、翻訳ソフトを売っていた頃は今ほどの能力はなかったと思いますが、高い志を持ち、常に上を上を目指した結果、今のソフトバンクがあるのだと思います。ユニクロ、楽天など、いわゆるここ数十年の新興企業の共通点は、ものすごく高い「志」を持ったカリスマ経営者が、すごい勢いで会社を牽引して成功していることです。私は多国籍の社員と仕事をしているのでよくわかるのですが、日本人はリーダーシップは苦手な一方で、強いリーダーがいて明確なビジョンを打ち出した時には社員が一丸となって猛進します。日本のビジネスが衰退している原因は、経済だったり、高齢化社会だったりと、あげればきりがありませんが、同じ環境に置かれていても、飛躍的に成長している企業がたくさん存在しているのも事実なのです。 今挙げたような有名企業とカクタスを比較するのは大変おこがましいですが、アビシェックに「私の昇給にとんでもなく高い志を持っている妻に普段から『柳井さん、孫さん、前澤君が何十億も稼いでいるんだから、あなたもそれくらいを目標に仕事をしなさい!』って言われているんだ(笑)」と言うと、彼は笑いながらも「いや、いいことだと思う。本気でその位の志を持って仕事をして、皆で今の何十倍、何百倍の会社にしよう」と言いました。カクタスはまだまだ中小企業に域を出た程度の小規模会社ですが、彼と話しながら「自分が還暦を迎える20年後には、カクタスはそれなりの規模になるに違いない」と思いました。 ただし、企業が成長し続けるための必要不可欠な条件は、常に経営者が高い志を持ち、それをしっかりわかりやくすスタッフ全員に伝えていく事です。経営者のリーダーシップがなければ、どれだけ能力の高い天才集団の社員を雇っていたとしても、企業の成長はそれなりの規模で止まると思います。 「成長なくば去れ – Change or die – 」はユニクロ柳井さんがよく口にする言葉ですが、まさにその通り!!!・・・なんてカッコつけて書きながらも、私自身仕事で悩むことはしばしばあるので、その時はこのブログを読んで自分を鼓舞したいと思います。 追伸:この記事はベルギーとの対戦前に書いていますが、もし日本が勝利して、次のブラジル(恐らく)にも勝利してベスト4になれば、本田選手の発言は大口ではなく、高い「志」の結果になりますね。頑張れニッポン。
(湯浅 誠/カクタス・コミュニケーションズ株式会社 代表取締役) 前回のブログ記事で中国の研究費について少しお話をさせていただきました。恐らく国としてはイケイケドンドンで進んでいると思いますが、基礎研究への国からの直接投資額を見ると、それ程大きな金額には見えないと書かせていただきました。こちらについては今後半年で新たな知見が得られたら、改めてお話できればと思っています。 中国でも分野別でかなり事情が異なっているようですので、今回はそこを重点的に書いていこうと思います。まず日本でも言われている理系と文系の格差ですが、中国の方が更に大きい印象を受けました。今回お会いした方は皆さん大きな括りで言えば理系でしたが、ほとんどの中国人研究者が「詳しくは知らないけど、文系に研究費予算はほとんど投入されていないと思う。中国はもう明確すぎる程に科学技術に焦点を当てており、人文社会系は重要視されていない」とお話されていました。この現象は全世界規模で起きているのでしょうか?! では重要視されている理系は全分野に予算が来ているのかというと、そうでもないようです。南京でお会いした准教授の方は環境学の研究をされています。どちらかというと応用よりは基礎科学中心の研究のようです。そのため企業との共同研究はあまりなく、また規模の小さい大学であるため研究費の獲得も苦労されているようでした。大学が生き残るために海外での研究経験をある人たちと国内のみの研究者を入れ替えしたいらしく、厳しい英語論文数のノルマが課せられています。よって学内でも必死の生き残りをかけ、このお客様はしばしば身銭を切ってでも私達にご依頼をしてくれていました。また依頼サービスも様々で論文の校正のみならず、中英翻訳、そして論文投稿サポートまで幅広くご利用いただいています。研究以外に教育活動が相当忙しいので、ご自分で論文をすべて英語で書いて、投稿から再投稿の準備までをすべてこなすのは時間的に無理のようで、「あなたたちに任せられるものは基本的に何でも依頼している」とのことでした。それで研究費では賄い切れないところはご自分で負担されているようです。 同じく南京の別の情報系大学の教授にお会いした際にいただいたお話は「教授になっても論文発表が少なく、研究費が少ないと、委員会や部会での担当をどんどん外されてしまう。自分が大学である程度のプレゼンスを維持するためには、この二つ(論文、研究費)はずっと必要。解雇される事はないが、結果が出ていないと様々な人事に影響が出るので、実際はあくせく論文を書いている」とのことでした。 ではメジャー大学ではどのような状況でしょうか?上海交通大学でお会いした2名の准教授(工学、情報学)のお話は色々と共通点がありました。かなり大学の経営が特徴的でしたので、要点を以下まとめてみました。 ***** 1. 経営陣がかなりの裁量で人事権を行使しており、雇用安定は結果(論文、研究費)が相当の割合を占める。しかし中国独特の「人間関係」も同時にものをいうので学科長、学部長から気に入られるのは大変重要 2. 教員の給料の裁量も大学にあるようで、ベースを下げたり、また上げたりすることもある。上げる理由は主に海外からのスーパー研究者を雇用する場合で、人によっては数千万円相当の給与を払っている場合もある。逆にベースの給料は低く、業績により上積みされている。研究費をたくさん獲得すると、その一部を自分の給与にする事ができる 3. 大学を挙げて教員にベンチャー設立を促している。ただ大学から何らかのサポートがある訳ではなく、どちらかといえばトップダウンで奨励されている 4. 実際ベンチャーは設立されているのか?上海交通大学は抜群の知名度を誇るので、共同研究を希望する民間企業が多く(実は今の中国では我々の定義である純民間企業が半数以上あります)、共同研究を目的としたベンチャー立ち上げは積極的に行われている 5. その事情を反映してか、民間企業からの研究費支援は相当ある(お会いしたお二人とも政府系資金と民間資金は同額程度あるとお話されていました)。お話を伺っていると研究者から、民間と共同研究する事の抵抗感は全くない。むしろ一緒にやれることは積極的に行う姿勢。ただしこの話は有名大学限定で、小規模大学では稀。 6. 研究室の院生を卒業させるためには、SCIにインデックスされている英文誌での掲載が必須なので、学生の論文にかなりの時間が取られる。しかしそのノルマがあるので、各研究室から必然的に年間論文10本以上が掲載される 7. 学内には民間企業の広告や展示ブースなどもあり、日本の大学と違い、相当コマーシャルな匂いがしました。学問、研究の重要性は当然ですが、稼ぐ力も同様に求められるのが日本との違いのような気がします ***** ここまで読まれて若干疑念を持たれる方もいるかと思います。「やりすぎだ」「節操がない」「拝金主義だ」などなど、私もなにかしら感じる事はあります。ただその一方でグローバル企業の一員として他の外国籍企業と争う時に感じるのが、勝つためのルールはあってないようなもの、そしてやったもの勝ちの世界でもあるということです。美しく試合をしても負けては意味がない。柔道がその例かと思いますが、一本のみを狙っても判定で負けてしまったらダメ。柔道の世界では、フランスを中心としてヨーロッパの柔道レベルが上がったために、日本的な柔道が変わり、今のグローバル柔道の形になりました。 私は日本のアカデミアが中国を見習うべきと思っている訳ではありませんが、中国で起きている熾烈な争いとそれに伴う論文数の増加(また最近では品質も上がって来ています)、大学のランクアップを見て、科学技術先進国としてどう対応していくかを考えたほうがいいと思います。日本のトップ大学の中長期目標を拝見すると多くの大学がTHE大学ランキング100位を目標としていますが、競合(中国、韓国)はなりふり構わず突き進んでいます。目標を掲げる以上、達成するための行動指針があると思いますが、ランキングは相対的評価なので自分達だけを見ていては意味がなく、海外の競合大学の動向にあわせて自分達を変えていかなければなりません。 「中韓と同じようには戦わない」と決めるのはもちろん問題ないと思いますが、その場合は一律ランキング100位ではなく、自分達の立ち位置だったり特徴をしっかり考え、「我々はランキングではなくてこの方向で進んで行く」との日本らしさを出す時期にいるのではないかと思いました。でもこのオンリーワンを貫くのは大変で、一貫性、忍耐そして各ステークホルダーに対する継続的な対話が求められます。 部外者が各国の諸事情を深く理解していないで好き勝手な事を言ってしまいましたが、ものすごい勢いで伸びている中国の内情を少し見てしまうと、正直普通の戦い方では勝ち目がないと思ったので、本記事でその状況について綴ってみました。
(加納 愛 / ブランディング・事業開発部、アソシエイト・ヴァイスプレジデント) ブランディング&事業開発担当の加納です。先々週、最近スターバックスが従業員の人種差別防止研修の目的で、全米8千店を一斉閉鎖したことが大きなニュースになっていました。スタバの徹底したブランディングは有名ですよね。この例はブランディングって何?の答えが詰まっているわかりやすい例だと思うので、少し論じてみたいと思います。 スタバ全米8千店、一斉休業 黒人客逮捕で差別防止研修 テレビのニュースではニューヨークの街頭で「今日どこでコーヒーを飲んだらいいのよ!」と文句を言っているアメリカ人カスタマーの姿や、一部株主から営業閉鎖に不満も…なんて取り上げているメディアもありましたが、おおむね「やっぱスタバはすごいわ」という感嘆をもって評価されているという印象を受けます。 スターバックスは「インクルージョン(Inclusion)」を重要な企業文化として掲げているわけですが、実際にLGBTの取り組み、賃金の男女差の100%解消、トランプの難民政策に反発しての難民1万人雇用宣言など、社会的な発言やアクションを起こしてしばしば話題になっています。 Inclusion at Starbucks(スターバックスにおけるインクルージョン) 上のリンクのページにもありますが、インクルージョンについての文の最後は次の文章で締めくくられているのが印象的です。 We will continue to strive to create a culture of belonging – where everyone is welcome- so that we can continue to drive innovation and growth through our people. (私たちは親密感を感じられる文化〜誰もが歓迎される場所〜を作ることに引き続き努力することで、働く人々を通じてイノベーションと成長を駆動していきます) このスタバのポリシーが世界中に知られているからこそ、「スタバ職員がまさかの人種差別?誰でも歓迎するのがスタバだろ?ありえない!」とまさに世界中の人々が驚くわけです。そのスキャンダルを「ありえないんです、その通りです!これは企業の存続に関わる非常事態なので営業利益度外視で全店舗休業して社員教育します!」とセルフ炎上商法で何百倍にも事を大きくし、事件を利用していかにスタバが反差別であるかを世界中に印象付けようとする経営陣の徹底ぶり、本当にすごい。ここまでやれる企業は世界でも稀だと思います。 似たような話で有名なのがリッツ・カールトン。リッツ・カールトンにはグループ直営ではないパートナーホテルが世界中にたくさんあるわけですが、そのうち1つのパートナーホテルがブランドのポリシーに反するサービスを提供していると顧客から苦情があった際に、翌日の朝にはホテルのエントランスの看板から客室のメモ帳に至るまで、すべてのプロパティからリッツのロゴが外されていたという有名な事例があります。 このリッツの事例研究は会社の研修制度でインドのトップ経営大学院の一つ、Indian School of Business (ISB)でブランディング講座に参加した時に学んだのですが、その時に素晴らしい講義をしてくれたアメリカ人のブランドコンサルタントが強く強調していたことは「やりすぎること(doing too much)が大切。やりすぎて初めて、その企業は人の心に残るブランドになる」ということでした。日本で教えを請うていた著名なブランディングの専門家の先生も、全く同じ事をおっしゃっていました。スタバの例もリッツの例も、一度聞いたら企業の価値とセットで心に刻み込まれて忘れない。確かにその通りです。 前回はマーケティングについて書きましたが、ブランディングとマーケティングを混同している人はたくさんいます。さほど規模の大きくない組織では、ブランディングとマーケティングを同じチームが兼ねていることも多いですが、似て全く非なるもの。うちの社内でも、「ブランディング担当です」と自己紹介するとトンチンカンなリクエストをされることがよくあります。 あるある・その1「競合比較してうちのサービスを差異化する宣伝文作って」 あるある・その2「じゃあホームページに乗せるブランド・メッセージ考えてよ」 あるある・その3「有名ブランドと契約して、パートナーのバナー増やして」 え、いや、あのー、ブランディングってそういうことじゃないんです…。と思う事も多いので、上記のリクエストに反論しつつ、ここでは自分がブランディングの肝だと思っている3つのポイントを議論したいと思います。 […]
(湯浅 誠/カクタス・コミュニケーションズ株式会社 代表取締役) 今年度から中国マーケットを担当し始めたので、早速現地に出張して現場を自分の目で確かめてきました。中国に対しては兎角間違った情報や認識が流れてくるので、先ずはお客さんにとにかく会うと大号令を出し、上海地域のお客様6名とお会いしてきました。まだまだ足りないので、今年度は毎回の出張で必ずお客さん訪問をしようと思います。 中国はとても広いので、上海地域と言っても南京(上海から北西300キロ程度)まで含んでおり、3日間であっちに行ってこっちに行ってと大忙しでしたが、やはり現地でしか聞けない大変貴重なお話をいただいたので、このブログで共有させていただきたいと思います。 今回お会いした中国のお客様のプロファイルは以下のとおりです。 上海交通大学工学系 准教授 上海交通大学情報学系 准教授(日本で博士号取得後、名古屋大学でポスドクを1年経験) 大学附属病院 医師 南京大学 准教授 南京情報系大学 教授 南京農学系大学 准教授 上海交通大学というと何か運輸関係の大学と想像してしまいますが、中国では知らない人はいない超名門総合大学です。参考として、THEアジア大学ランキング20位の大学です。(ちなみに、東京大学8位、京都大学11位、大阪大学28位)南京大学は17位です。南京では小規模の大学のお客様とお話が出来たので、大規模の大学と小規模の大学に加え医師のお話を伺う事が出来、初回のヒアリングとしてはかなり満足がいくものでした。 上海オフィスの中国人スタッフにアポ取りと通訳(英語が出来ない方がいた場合に備え)で同行してもらったのですが、上海交通大学と南京大学は全て英語でお話が出来ました。それ以外は全て通訳してもらったのですが、やはり大学のレベルと英語力は比例するものだと実感しました。また今後は中国語を勉強して、一人でも中国人のお客さんとしっかり話せるようにならないと、本当の情報は得られないなと痛感しました。これはこの先2年の課題と目標です。 さて中国のアカデミアは今どの様な状況にあるかというと、議論するまでもなく超上昇志向ですね。悲しいですが日本と真逆です。それでは予算とポストがふんだんにあるのかというと、実はそうでもないようです。勿論予算を取れた人はかなり余裕がある感じはしましたが、地方大学だったり小規模の大学(中国の大学は全て国公立なので私立大学はありません)の研究者は必死に着いて行っている感じです。 「予算が取れなかったら本当に研究が出来ない」という嘆きの声を聞いた事は日本でも何度もありますが「3年間研究費が取れなかったらクビになる」や「年1本の論文しか発表できなかったら降格させられる」と嘆く教授(ポスドクや任期付きの助教ではありません)にお会いした事はありません(恐らくゼロという事はないかもしれないですが、限りなく確率が低い気がします)。 中国の研究者はえげつない程の競争にさらされており、その評価指数はかなり「研究費」と「論文」が占めています。どちらかというと研究費を獲得するために論文を書きまくっているというのが現状です。また国の研究費を獲得すると一部自分の給料に出来る(これは各大学の方針によるので、一概に何%とは言えませんが、日本には無い制度です)ので、血眼になり申請書を書くようです。また中国では「人間関係」も重要な要素なので、適切な人脈作りは研究者として生き残るために不可欠だと感じました。 日本だと問題になりますが、自分の研究費申請書を誰が査読しているのかを知り合いの研究者に聞きまくるのは当たり前のようです。実際打ち合わせ中にお客さんのWeChat(中国版LINE)アカウントにその問い合わせが来ており、見せてもらいました。研究費も日本と似ており、科研費に相当する中国国家自然科学基金委員会(NSFC)による基礎研究重視の「一般プロジェクト助成」、若手支援を目的とした「青年科学基金プロジェクト」、大きな成果が期待できそうな研究に重点的に資金配分する「重点プロジェクト」など、基礎研究をサポートする研究費は総額約4000億円相当です。中国の高等教育に所属している研究者数は75万人程度で、日本が30万人程度ですので、予算規模は日本と似たり寄ったりかなと思います。 日本のJSTと似たような組織である科学技術部(MOST)によるトップダウン型研究もあり、「国家重点基礎研究発展計画(973計画)」が500億相当の予算を配分しています。他にも様々な予算があるようですが、基礎研究に重点的配分をしている予算は大体この程度だと思います。 ここで皆さんには一つの疑問があると思います。「あれ、中国の研究費予算ってこの程度なの?」私も同じ疑問がありました。というか今もあります。この答えはこれから探します。ただ思っている以上の潤沢な予算が中国にあるわけではなく、だからこそ熾烈に争って勝ち取る必要があるようです。3年負けたら降格だって減給だって、時には解雇だってあります。 必死に研究をして論文を書きまくり、年度初めは申請書を書きまくり、コネを駆使して採択率を上げようとする。その合間に学生の面倒を見る。程度の違いはあれ日本と似ています。ただ唯一にして最大の違いは、ポジションや給料が容赦なくなくなる中国と、教授になってしまえば比較的腰を据えて研究に従事できる日本です。中国は論文が必然的に増える仕組みですね。給料に関係してきますから。 これがいいか悪いかの議論ではなく、中国の現状だというのが知れたのが今回の出張でした。まだまだお伝えしたい内容があるので、次回のブログでは研究分野別でどのような違いがあるか綴ってみたいと思います。
(湯浅 誠/カクタス・コミュニケーションズ株式会社 代表取締役) 新年度も早半月が経ちました。第1週は日本で昨年度のレビューと今年度の大枠目標をチームと共有しましたが、グローバル全体で大きなチーム再編が計画されており、その協議中であったため、具体的なプランニングは出来ずにいました。 4月10日からのインド出張で全てがクリアになり、自分の役割も明確になりました。まあ本当に変化するのが好きな会社だなーと半分皮肉ながら感心してしまいました。今まで私の直轄で働いていた日本スタッフもレポートラインが本社の人に変わったり、そもそものKPIが今年度になり今までと180度変わったり、リーダーシップが日本からインドに移ったりと、発狂する人が出ても驚かない状況でした。 そんな中私の役割はどうなのかというと、180度どころか、転職したのではないかと思う程違う仕事をする事になります。日本での活動は引き続き行いますが、ずっと責任を持って担当してきた、会社の売上の大半を占める個人向けサービスにはあまり関与する事はなくなり、法人向け新サービスのみに注力をして、それ以外は基本的に中国マーケットに集中します。 これまでの日本におけるブランディングやアウトリーチ活動が評価されて、知名度が圧倒的に低い中国でプレゼンスを高めてきてほしいとの指令が出ました。もちろんこの辞令は喜ぶべきもので、中国という巨大マーケットに関与できる事は幸せだと思います。ただこれまでの経験がどこまで活かせるか、また言葉の壁もある、人脈はない、制度を理解していないと、不安要素がたくさんあるので期待少し、不安大で突入していきます。 この大きな体制変更を、今回のインド出張中のグループ全体会議で共有して、その後みんなでディナーをしていたら中国のマーケティングマネージャーが話しかけてきて、「一緒に働ける事を楽しみにしている。是非エディテージブランドを中国でNO.1にしよう」と言われ、また「我々中国オフィスは常に日本チームに追いつく事を共通目標にしてきた」と。その場で計算機を使い、今の中国の売上と成長目標値を聞き出し、果たして計画通りにいけば(日本人からすると超天文学的な数字です!)何年後に日本に追いつけるか計算したら、その結果は「3年」後。 「では3年後に日本を追い抜く」を目標にしようと!これを中国オフィスのみんなと共有して実現に向けて動き出そうと。その発言をしている自分を客観的に見て凄く複雑な気がしました。これまで日本チームのみんなと必死に会社を成長させ、その結果いまだにカクタスで一番の地位を誇っていますが、自分のチームを早く抜かせと別のチームに発破をかけているのです。 しかし国の規模を考えれば中国が日本より大きくなるのは必然であり時間の問題です。経済規模においても、学術の世界においても(論文数)既に中国を日本を抜いているので、カクタスでも中国が一番のマーケットになるのが当たり前であり、そうなっていないのは会社に問題があります。 今までは中国チームを弟のように「お前らもしっかり頑張りなさい」と見てきましたが、これからは自分の息子のように扱い「お前(中国)はお兄ちゃん(日本)より立派になりなさい。お父さんも一緒に頑張るから」と。しかし日本のみんなには「絶対負けない。これからも成長しつづけて、常に1番で居続けてみせる」と思って仕事をしてもらいたいです。 トップマーケット同士が切磋琢磨するのが会社にとり一番で、特定のマーケットがあまりにも幅を利かすと偏った思考や体制になります。日中2強体制が出来て、その両方に自分が深く関われる日が来るのを楽しみにしています。中国では失敗してボロボロで帰ってくるかもしれませんが、負けるにしても全力で戦ってきたいです。負けたとしてもそれは自分の実力ですから。 このブログ記事はどちらかというと社内向けメッセージになっていますので、是非日本スタッフのみんなに読んでもらい、自分達を奮起してもらいたいです。「負けてたまるか!」と。私は反骨精神が強いので、挑戦されると絶対見返してやろうとムキになりますが、ここではその様な反応を期待しています。 インドから帰国する機内で今記事を書いていますが、バックで流れているANAテーマソングAnother skyがいつもと違う感情を与えてくれています。今までは何があっても常に「日本」の空を中心に動いていた自分が、これからは別の空(another sky)を中心に動くのかな?と。今後も変わらない事は、これまで日本におけるブランディング活動を支えてくれた日本の相方はそのまま中国に輸出です(笑)!
