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2018年3月期が終わり、また会社にとり新年に突入します。私達はFY18と呼んでいますが、FY18は私のキャリアにおいて、最も印象が残る1年でした。 カクタス初の海外拠点として、2007年7月に日本オフィスが誕生しました。当時私は実家で父と働いていましたので詳細を詳しくはわかりませんが、法人のお客様サポートをメインとして立ち上げ、当初は個人より法人に重きを置き活動していました。私は同年12月にカクタスに戻りました。FY18はカクタスジャパン、そして自分の10周年記念でした。 我々へのお祝いなのか、この1年はたくさんの記録を打ち立てる事が出来ました。一番のハイライトが年間売上がついに20億円を突破した事です。年初に目標を立てた際はかなり高い壁に思えました。事実Q1はだいぶ苦戦をして、7月頃は「今年は無理かも。。。」と弱音を吐いていました。しかし社員一丸となりこの困難を乗り越え、Q4には毎月2億円を超える売り上げ(こちらも初)をたたき出し、無事20億円を達成できました。会社が設定した目標に対しては98%の達成でしたが、自分自身は100%をつけていいかなと思いました。 本社的にはまだまだ足りないと言われますが、恐らく翻訳業界で最も短期間で成長している会社だと思います。また今の成長率を保てば10年後は100億円も目指せると思います。 毎年数十%の成長を目指す会社では、当たり前ですが昨年と同じ事をやり続ける事など決して許されません。白鳥のようにクールな顔をしながら、裏では必死でチームを鼓舞し、また自分自身も1スタッフとして全国を駆けずり回っていました。これまでの10年間に途中で脱落した人、そして退席いただいた人、またがんばって付いて来てくれた人、様々です。足を引っ張られたり、何度か弁護士さんのお世話にもなりました。その時々で自分の運命を呪ったりもしましたけど、会社が数名の零細企業(インド終業時)から600名(グローバル全体で)に成長する過程を全て見る事が出来て、いい人生勉強になりました。酸いも甘いもですね! そして私のこれからの10年は今までとは違う旅となりそうです。まだ詳細は本社と協議中ですが、日本以外の国も本格的に関与していくことになりそうです。日本での経験がどれほど他国に活かせるのか?日本での活動をコピペして成功する程甘くはないと思います。また国民性も違い、日本人のように勤勉ではない人々を管理する事になります。その条件で、日本よりも成長を求められる環境はなかなかチャレンジングですが、自分を成長させるために、これはいい機会だと思います。 日本チームはカクタスグループで最も優秀なチームです。彼らは私の関与はミニマムで充分に活躍してくれると思いますし、そうなってもらわないと困ります。また日本チームの中から将来グローバルポジションに就く人も出ると思いますし、そう期待しています。日本人はグローバルで活躍できないとよく言われますが、約束を守る、仕事は責任を持って最後までしっかり実行する、そしてチームワークを重んじる、素晴らしい資質を兼ね備えています。「えっ、そんなの普通じゃん?!」と思われる方がいると思いますが、それは日本人としか仕事をしていないとそう感じますが、グローバルと仕事をするとこの違いを常々感じます。 次の10年はカクタスにとっても私自身に取っても成長フェーズに入ると思います。試行錯誤の10年から、その経験を活かして大きく成長する10年です。成熟を目指す30年に向け、これから与えられる10年を大切にしていきたいと思います。その頃は50歳になっているので、少しは貫禄のある社長になっているかなと期待しています。 これまで至らない事ばかりの自分を傍で支えてくれた日本オフィスの社員に一番の感謝をするとともに、私にかなりの責任と権限を与え、信頼してくれた本社経営陣にも感謝をしたいと思います。 言うまでもなく、ミスをしたり不完全なサービスをしても支えてくださったお客様、パートナーの皆様には心から感謝の意を述べさせていただくと同時に、今後はより良いサービスのご提供を目指し精進していきたいと思います。 皆様、これからもよろしくお願いします。

(湯浅 誠/カクタス・コミュニケーションズ株式会社 代表取締役)   私には現在2歳10か月になる双子がいて、日々子育てに奮闘しています。双子の場合は特に、生まれた時から夫婦で子育てはあたりまえというか、父親の育児参加なしでは成り立たちません。乳幼児の時はミルクをあげるのは同時、離乳食になるとご飯は一緒にあげる、寝かしつけも同じです。お子さんがいる方はわかると思いますが、乳幼児は一人でミルクを飲む事はできません。必ず誰かが哺乳瓶を持ってちょっとずつミルクをあげなければなりません。 未熟児で生まれた我が子たちは1か月間入院していたのですが、仕事の後に病院に行き、育児練習をしたのを覚えています。看護師さんから口を酸っぱくして父親の育児参加の必要さを説かれました。「ほら、パパおむつを交換してください。手が震えていますよ!」「そんなミルクの上げ方だと飲んでもらえませんよ。相手の事を考えて」と結構厳しくご指導をいただきました。 そんな境遇でしたので、育児はすぐに日常生活の一部になりました。朝はどちらかがおむつ交換かご飯を作る。ご飯は一緒にあげる。さすがにその後は会社ですが、日中サポートが出来ないので朝と週末はなるべく精力的に動くようにしています。 毎日子供と接しているとちょっとした異変にすぐに気が付きます。最近娘は話ができるようになってきましたが、まだまだ十分な会話はできませんので、子供達の様子を見ながら(特に原因不明で泣いている時)何が不満なのか?を考え、その解決策と思われる事を一つ一つ提示して、向こうのフィードバックを見ながら「あれ、これじゃなかったか。じゃあこれかな?」みたいな感じで試行錯誤します。これは文章にするともの凄く単純で簡単な作業に思えますが、子育てを始めてから 3年近く経った今でも、私を悩ませる仕事です。子供の機嫌が悪い原因は、体調が悪い、ただ単に不機嫌、注意を惹きたいなど様々ありますが、母親と違い経験値が圧倒的に低いので、「原因はこれだな」と仮説を立てて対応しても、ほぼ最初は不正解です。するとさらに子供に泣かれてしまいます。別の対応をして次も不正解になるとギャン泣きになり、こんどは私がイライラしてキレてわめいてしまいます。コントみたいな話ですが、これが日常の育児風景です。 仕事で普段マーケティングチームを管理しているので、ビジネスに何らかの問題が発生した時には、チームの皆と解決すべき課題を見つけ、解決策を考える事に頭を使いますが、子育てとマーケティングにはいくつか共通点があると感じることがよくあります。まず第一に、当たり前の話ですが、目の前の課題に対して「正しい解決策を提示しなければ、問題は解決しない」。そんなの当然でしょ?と思われる方もいると思いますが、意外とチームが提案してくる解決策と本来解決すべき課題との間に根本的な乖離や飛躍がある、ということが頻繁にあります。たとえば「あるサービスの売上が下がった」という時、チームが「リーチアウトが足りていないから新しい広告を出しましょう」と提案して来たとします。一見効果があるように見えますが、「新しい広告を出す」という解決策が、本当にあまたある仮説の中から精査して結論づけたものなのか、あるいはただの思いつきや直感なのか。担当者にその結論に至った論理展開を聞くと、一見よく考えられた仮説に見えて、実は後者であることがかなりあります。 第二の共通点は、経験値の重要性です。さっき自分は子供が泣いている原因の仮説を何度立てても不正解だったと言いましたが、それでも辛抱強く何度も試行錯誤してきた今は、少しずつ正解率が上がって来たように思います。マーケティングの仕事でも同じです。この課題をなんとしても解きたいと思い、試行錯誤を繰り返してきた人であれば、なんとなく答えは自分が持っている駒のどれかだろうな?とわかってくるようになります。ここで重要なのは、失敗を一番多く経験した人が一番多くの解決策を持っているということです。社員にたくさんの事に挑戦してほしいと常々伝えているのは、この経験値を高めてほしいからです。 類似点のある子育てとマーケティングですが、大きな違いはフィードバックを得られるスピードかもしれません。自分が間違った対応をした時、子供からのフィードバックは瞬時に返ってきます。なので、間違っているということがすぐにわかり、次の手を考えることができますし、解決しないと泣き止んでくれないので必死に答えを見つけようとします。ですが、マーケティングの仕事では自分で自分の仕事のフィードバックを取りに行かなければならない、つまり効果測定をしなければなりません。これも気をつけなければいけないポイントは、どこからデータを取るか、どの様に取るかで、全く違う結論にたどり着いてしまうことです。子育てがうまくできたかどうかのフィードバックは他者依存型ですから、相手の反応を見ればいいのですが、マーケティングの仕事でのフィードバックは自己依存型ですので、かなりのスキルが求められます。かなりの学習と訓練をしなければ身につかないスキルです。 カクタスの社員には、仕事も、子持ちの社員には子育ても、両方試行錯誤して色々な経験をしながら頑張って欲しいと思います。最後に、子育てとマーケティング、どちらも「慢心が身を滅ぼす」というところが共通の真実かもしれません。実はこのブログ記事を書こうと思いついたのは最近起きたアクシデントからでした。週末に子供を実家に預かってもらって 嫁さんと二人で出かけようと計画していたのですが、子供たちにとっては親がいないお泊まりは初体験。実家に連れて行く車で寝かせてしまって、朝までそのまま起きないようにと計画していたんですが、こっそり実家を出た後で、子どもたちが親がいないことに気づいて大泣きをしていると連絡が。迎えに行くと、子どもたちが二人とも今まで見た事もないくらい狂ったように泣いていて、夜中も心配で何度も起きては泣き出し大変でした。話はそれで終わらず、娘はショックで高熱を出してしまい、息子は泣きすぎて喉がガラガラ。嫁さんと、やっぱり初めてのお泊まりは一緒に寝てあげないとダメだったね、と反省したのでした。もう大きくなって来たから大丈夫と鷹をくくって、慢心したのが原因でしたが、これもやってみなければ分からなかったこと。 マーケティングの仕事でも、初めての試みを行う時は現場のプレーヤーと経験者が一緒になって状況を判断しながら進め、必要に応じて撤退も考慮しながらやることで、リスクは減らせるよなー、と思いました。子育ても仕事も、試行錯誤して痛い思いをしながら学んだことが一番身につくのだと思います。

(大野理奈/法人チーム、キーアカウントマネージャー)   こんにちは。カクタスコミュニケーションズ、カスタマーサービス部、法人部門アシスタントマネージャーの大野です。今回は食の充実は働きやすさと幸せにつながる(?)カクタスの嬉し楽しい食事情の4ポイントについて書きたいと思います。   <その1:キッチンのあるオフィス> 2016年4月に移転した弊社オフィス(神保町)の給湯室は1口コンロのミニキッチンを備えております。また、キッチン設備としては冷蔵庫、電子レンジ、オーブントースターもあり、簡単なものであれば調理可能です!移転当社、ランチ時にいつも外食していた社員たちは、今では弁当持参の女子力高めOLへと変貌しました。 朝はパンをトーストしたり、ダイエット中の社員は糖質オフ麺をゆでたりして有効活用しているようです。   <その2:手作りお味噌汁@オフィス> カクタス日本オフィスは8割が女性社員なのですが、独身OLたちだけでなく、子持ちのママも大活躍しています。その中でも2人の子持ちのママである総務担当のあきこさんは、料理がとっても上手なので、時々お弁当持参の社員たちのために、スープやけんちん汁などを大きな鍋にたっぷり作ってふるまってくれます。 野菜たっぷりの栄養満点お味噌汁は、忙しく働く社員の心と体を癒してくれています。 スープだけでなく、カレーやビーフストロガノフが振舞われることもあります。材料費はオフィスに置いてある「味噌汁募金箱」に食べ人がお金を入れる仕組み。 この日は寒かったのでしょうがたっぷりのキノコ汁でした!   <その3:PARTYはランチタイムに> お祭り大好きな社員たちが揃っている弊社でございますが、実は夜の飲み会はほとんどありません。 理由は上記のとおり、働くママも多いため、皆で食事を楽しんだり、何かのお祝いする場合は、ディナータイムではなくランチタイムを使います。そうすれば、どんな事情の人も参加できますからね。業務中はデスクから離れられない役職のスタッフもたくさんいますので、そういうスタッフもパーティに参加でき、お客様の電話にもすぐに出られるよう、ワークスペース横のフリースペースを使ってお寿司のデリバリーやピザデリバリー、時には社員がそれぞれ手作り料理を持ち寄ったポットラックPARTYをして楽しんでいます。   <おいしい紅茶@オフィス> 弊社本社はインド、ムンバイにあるため、インドから来る社員、またインドへ出張した社員からさまざななインド土産が頻繁に届けられます。その中でも、みんなが必ず差し入れしてくれるのがインドの美味しい紅茶です。紅茶大国のインド産、ハーブティーがいつもパントリーにそろっております。弊社にミーティングでお寄りの際はぜひ、インド紅茶をリクエストしてみてくださいね。

(湯浅 誠/カクタス・コミュニケーションズ株式会社 代表取締役)   カクタスの社長になり5年が経ちました。大企業だともう社長交代の時期になることもあるかと思いますが、5年が経過した現在でも出来ていない事がまだまだ山のようにあります。特に5年、10年先を見据えた事業拡大やサービス改善は質・量共に全然期待通りにできていません。日々の課題や目の前の売上のために多くの時間を費やしている私のような社長が世の中にはたくさんいるのかなと思います。ではそれは正しいのか間違っているのか? 本題にある「社長の仕事」の定義は、個々の社長の中に存在していると思います。それは決して一般化されるものではなく、業種、市場、会社規模などにより様々です。世間では社長というと広い社長室にいて、判子を押したり、会議で偉そうにしている印象を持たれる事もありますが、少なくとも最近の会社にはあまりない光景かと思います。というか、そう願います。 実は私の祖父(母方)も父も社長でした。それぞれ私も含め皆代々、別々の会社の社長を経験していることになります。私は雇われの社長ですが、今思えば自分が社長になったのは家系から来る運命だったのかなと思います。祖父はいわゆる昔の社長そのもので、名誉欲が強く見ていて違和感もありましたが、愛国主義に満ちており、国に納税することに誇りを持っていました。それに対して、父は豪傑系の社長でした。それはそれは怖い社長で、社員の方(体育会系の猛者たちです!)にいつも恐れられていました。今の時代なら完全にアウトですが、社員に手を挙げている事もよくありました。自分が社長業を務める前以前は、この二人が自分の社長像でしたが、実際社長になった時に自分は彼らとは全く違うと思いました。私は社員に命令する事があまり得意ではなく、どちらかというと自発的にやってもらうように促すタイプですし、納税する事に誇りはなく節税方法をいつも探っています(笑)。会社でも社員に「社長」でも苗字でもなく「誠さん」とファーストネームで呼ばれており、上下関係というよりも、役割分担を好みます。またこの外見のせいか、社外でもほとんど社長に見られません。 こんな風に、三世代が異なる会社、異なるタイプの社長になったわけですが、それでも祖父と父に自分との共通点を感じる事が最近はあります。実はカクタスに務める以前には父の会社に2年程勤めており、その経営を間近で見ていましたが、父はよく「社長の一番の仕事は決断を下して、その責任を取る事だ」と語っていたのを印象的に覚えています。当初は全くなんの事か理解出来ず、初めて聞いた時の私の感想は「社長の仕事ってそれだけ?」「これなら自分でもできるぞ。でも責任を取るって何?」でした。父が経営していた家業はその後大変苦しくなり、本当に父が大きな意味で責任を取る時が来たのですが、「これが一つの責任の取り方なのか」とその時に初めて実感しました。私が父と同じような責任を取る瞬間が訪れる事はないと期待していますが、社長は様々なシーンで決断と責任が求められることを、その後カクタスで社長に就任してからは日々切実に感じています。そして、この仕事ができない社長は落第者です。また自分の経験則から言うと、決断と責任取りは早ければ早いほどいいのです。 何か重大な決断を下さなければならない時、その決断が必要とわかっていても痛みを伴うので下したくない時、自分が苦しむとわかっている決断を下す時など、先送りしたくなる理由は無限にあります。しかし会社がダメになる典型的なパターンは誰も決断を下さず、「今は一時的に大変なだけで、しばらくしたら良くなる。売上も回復するはずだ」と言い聞かせ、何もしない事です。「しばらく様子を見て、考えよう」なんてよく聞く言葉ですよね?私もつい言ってしまいますけど、本当にダメだと思った時は、相手が誰であろうと「ダメだ」と言い、大きな方向展開、最悪チームの変更、プロジェクトの中止を決断する必要があります。しなければなりません。 では、その決断の責任を誰が取るのか?成果が出せなかった部下?企画を言い出した人?チーム全員?いえ、それが社長としての私の仕事です。結果に対して責任を取る。これは、ダメなら社長を辞めるという責任の取り方ではなく、成果が出なかったという事実を認めて、自分に非がある所も認め、その結果を踏まえ何が問題だったかを客観的に議論し、今後の進め方を決めるという意味での責任です。そこでプロジェクトを中止する事もありますが、先に書いた通り「決断」が早ければ早い程、傷が浅いうちに治療が出来ます。なので「やりたくないなー」と思う決断や発言も早め早めにするようにしています。 これが父の失敗から学んだ事です。実家のビジネスは一族経営でいわゆる「なあなあ」が続いていました。皆自分以外の事業やチームに口出しをせず、また決断も業績が悪化するにつれてどんどん遅くなっていました。もう本当にどうにもならない段階になり大きな決断をしたのですが、それはもう遅すぎで、大変な責任を取る事になりました。最悪の決断と責任です。 自分自身、カクタスの10年で数多くの過ちを犯しましたが、今でも後悔しているのが「遅すぎた決断」です。詳細はお伝えできませんが、「やらなくてはいけない。でもこれはなかなか」「いや、そのうち改善するだろう」と遅らせた決断が最後に大変な事になったことがありました。当然そこから多くを学んだので、本当の意味では後悔にはならないのですが、今後同様に大きな決断を下す必要がある時の自分への戒めとして、このブログをその時に読むつもりで書いています。とはいえ、同じような決断を下す時が来ない事を心の底では願っていますけれど(笑)。

(加納 愛/ブランディング&事業開発部、アソシエイト・ヴァイスプレジデント)   こんにちは、カクタスのブランディング&事業開発部の加納です。 社内では研究者向けのブランド、エディテージのマーケティング、広報、ブランディング、サービス開発に関わっています。そして顧客向けには、大学・研究機関や学協会を中心に、研究の国際広報セールス兼コンサルタント、クリエイティブディレクターとして活動しています。…ややこしいですが、簡単に言ってしまえば社内・社外問わずのいわゆる便利屋さんです。 業務が多岐に渡り常に異なる仕事をしているので、社内でも昔馴染みの同僚に「最近のあなたは何者?(What are you, lately?)」と聞かれることもしばしば。その時々で 「今はクリエイター」「今月はコンサル 」「最近広報がメインかな」なんて答えていますが、今も昔も、自分のコアはマーケターだと思っています。むしろマーケティングというコアが、すべての仕事の骨組みになっていると実感しています。 そして、もう少し言うと、日本のアカデミア業界、特に大学・研究機関には、組織の経営においてもっともっとマーケティング的な考え方が必要なんじゃないのかな、と感じています。 そこで今日は「マーケティングって市場開拓でしょ?」「単なる企業の商品流通戦略でしょ?公的機関に近い大学や研究機関、ましてや非営利の学協会には関係ないよ」という方に、基本的なマーケティングの考え方はどんな組織の広報活動にもあてはまるという話をしたいと思います。 まずは 「アメリカ・マーケティング協会(AMA)」が2013年に提案したマーケティングの定義をご紹介しましょう。   マーケティングとは?  Marketing is the activity, set of institutions, and processes for creating, communicating, delivering, and exchanging offerings that have value for customers, clients, partners, and society at large.  「 マーケティングとは、消費者、顧客、パートナー、および広く社会にとって価値のある提供物を創造し、伝達し、流通させ、交換するための活動、一連の制度、およびプロセスである」   この定義にも「広く社会にとって価値のある提供物を想像し、伝達し、流通させ」とあるように、マーケティングは必ずしも商品やサービスの販売に関わるものではなく、あらゆる種類の価値を生み出す、すべての組織に必要なものだと私は考えています。 当然、人類の文明・文化に価値のある知識や技術を生み出している大学や研究機関には必要な機能です。 企業においては、マーケティングは経営企画、サービス・製品開発、流通から顧客理解まで、企業の価値作りの上流から下流までを網羅する幅広い仕事です。カクタスは特にマーケティングに強い会社で、その考え方が社内の意思決定の中心を担っています。社内プロジェクトでも、クライアント・プロジェクトでも、仕事の大小に関わらずプランニングの段階で必ず最初に押さえなければならないごく基本的な3つの質問があります。 「達成したいゴールはなにか?成功を評価できる数値ターゲットはあるか? 」 「行動や意思決定に影響を与えたいターゲットはだれか? 」 「アウトリーチの母数は?リード率は?期待するコンバージョン率は?」 もちろんこれがすべてではありませんが、少なくともこの3点をクリアしていれば、闇雲に買われもしないサービスや誰にも読まれもしない情報を提供することに余計なコストと労力を使うことはなくなります。これを大学のマーケティング活動の実務の例にあてはめて考えてみたいと思います。 […]

(湯浅 誠/カクタス・コミュニケーションズ株式会社 代表取締役)   「やらない事を決める?」 「やる事を決めるでしょ?!」 と皆さん思われるかと思います。新しい事をやりたがらない組織にとっては「次の成長に向けて新しい事をやらなければいけないが、アイディアがない。何をやるべきか考えなければ!」と、まず「何かやる事を決める」のが大切だと思いますが、このご時世その様な呑気な状況に置かれている企業さんはあまりないのではないかと思います。 私が個人的に注目している企業の共通点は、常に新しい事に挑戦している事です。次から次へと新サービスを発表している、そういう企業は外から見ると華やかに見えると思いますが、実際は失敗に失敗を重ね、それでも諦めずに挑戦し続けた結果だと思います。 弊社も「新しい事に挑戦しよう」とする意思だけはとにかく強いです。その意思が時に全く思ったように活動に繋がらず歯がゆい思いをする事もありますが、社内では「常に新しい事に挑戦しないとダメだ」という空気はある程度あると思います。 第二四半期が終わりましたが、毎期末に行う「Quarter review」と次期の目標設定における私の課題は「何をやらないかを決める」事です。なぜか?課題は無数にあり、やりたい事は次から次に出てくるからです。「あれもやろう、これもやろう」「これ全部できたら確実に目標達成だー!」と、やる前が皆一番モチベーションが高いです。創業から15年経ってサバイバル時代を越えたいまでもビジネスを勢いで進めてしまうカクタスグループでは、この様な「あれもこれもミーティング」がもう何年も続いています。前向きでエネルギーがあり、それはそれでいいのですが、大きな問題があります。それはプランの時に思い描いた通りには実現ができていない事です。具体的に何が起きているかといいますと、次のような感じです。 1. 四半期レビューの際に、思うような結果が出ておらず焦る 2. 次期での巻き返しのため、実現できそうにないアグレッシブな目標を設定する 3. 「皆でやれば何とかできる!」と一致団結して壮大なプランを作成してしまう 4. その結果やるべきタスクが大量に発生する 5. タスクが多すぎて、インパクトの大小を加味せず簡単にやれそうなタスクを優先してしまう 6. 翌期のレビューの際に、重要なタスクが実際は半分しか達成されていない事に気付く。また売上目標も未達 同じ事が当てはまる方も結構いるのではないでしょうか。またこれはプランを全て実行できない問題のみならず、「大して効果のないプランを実行しており、本来確実にやるべきだったことができなかった」という危険な事態も招きます。 活動プランを作成する際にタスクの優先順位をつけたのにもかかわらず、日々のオペーレーションの中で労力が必要なタスクは後回し、すぐできるタスクを先に片づける傾向はほとんどの人に見られます。私もつい行ってしまいがちですが、これは完全な間違い。労力で順位をつけるのではなく、活動のインパクトを予測して、最大限の効果が見込める事を優先的に行う必要があります。その場合、インパクトが同じで労力が少なくてすむタスクがあれば先にこなし、労力が高いタスクはその後に行えばよいです。もちろん予想が大幅にはずれる事はよくあります。しかしこの予測を事前に行わないとタスクの優先順位がつけられず、ランダムな活動で正しいレビューが行えません。 今までの失敗から最近はさすがにいくつか学び、最近はタスクをインパクトで評価し、取捨選択するようにしています。具体的にはレビューの際に当期に行ったどの活動がどの位ビジネスに貢献したかを可能な限り細かく分析して、効果が全くなかったものはどれほどいいアイディアに見えても一切止める。期中に出て来た課題に対しては、課題を詳細に分析し、問題の原因をばらばらにして、各原因を解決できるであろう小さいタスクに落とし込む。そのタスク一つ一つを見て想定されるインパクトと労力を算出して、あまり効果が期待できないものは削除するか、「時間があれば行う」リストに入れる。 こうして「効果が期待される、やるべきことリスト」ができ上がるのですが、そのままプランを決定してはいけません。1日寝かせて翌日にもう一度チームとミーティングを行い、客観的な目でリストを確認し直すのです。「本当にこれが今の課題解決に繋がるタスクリストなのか?本当は必要のないタスクはないか?本来やるべきタスクが漏れてはいないか?」と細かく疑問を呈し、本来やるべきものを確実に実行するために 「やらないことを決める」ことが大切です。 上記のプロセスを3~4回経て、プランを練り上げます 。そしていざ活動開始。ところが開始から1ヶ月経っても思うような数字が出ていない場合や、計画段階で課題だと思っていたこととは異なる課題が発生することがあります(それも結構頻繁に)。そんな時にはプランになかったタスクを追加しなければなりません。このキャパがなく、いつもかつかつで活動していると、肝心のビジネス・クライシス の際に大した事ができません。その時には、もともとあったプランを見直し、今のビジネスの状況にあわせてさらに「やらないことを決める」のです。 今の方法がうまく行ってるかどうかは正直まだ試行錯誤中ですが、この「やらないことを決める」を決定者である自分が意識的に行うようになって、今までのように「あれもこれもやろう」で貧乏暇なしの状況からは若干抜け出したかなと思います。 ただし社員に注意して欲しいのは、「やらないことを決める」といっても「これはやりたくないからやらない」というものではありません(笑)。何が重要なタスクで、それがどうビジネスに繋がるかという分析の結果「やらない事」が出てくるものであると思います。 プランの精度をさらに上げるためには、現状のビジネス課題に対する客観的データの収集と、タスクのインパクトの事前予測の力を、ビジネスを担うスタッフ全員がつけていく必要があります。ここはまだまだ、まだまだ課題ですが、この先1年で解決していきたいと思っています。社内にはかなり多岐に渡るデータが蓄積されており、また収集の精度も少しずつあがってきているので、マーケティングチームには是非このデータを駆使して、適格な分析を行ってもらえればと期待しています。

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