2021年4月20日

カクタス・コミュニケーションズが取り組む、AIの手助けを借りた従業員エンゲージメントの向上

パンデミックの影響で多くの組織がリモート化を余儀なくされる中、組織の人事部は従業員とのエンゲージメントという課題に直面しています。テクノロジー企業であるカクタス・コミュニケーションズ(以下カクタス)は、この課題に対処するべくAIチャットボット「Amber」を採用しました。

ブランディング部門シニアマネージングエディター アンセルモ・マートレス

 

「こんにちは、シェファリさん!Amberです。カクタスで過ごされたこれまでの8年間について、少しお話を聞かせてください。」

カクタスのプリセールスチームでアソシエイトディレクターを務めるシェファリ・スンデラン=ハルシャは、このメッセージをAmberから受け取った時、職場での幸福度に関するアンケートだろうと思いました。「以前にもこうしたアンケートに答えたことがあったので、一般的な質問を予想していました。上司に満足しているか、フィードバックを受けているか、仕事において十分な機会を得ていると思うか、といった質問です。しかしAmberは非常に鋭い洞察力を持ち、的を射た質問をしてきました」

Amberの口調は、まるで自分を気にかけてくれている人事担当者のようですが、実は「彼女」はAIを活用した従業員エンゲージメント・チャットボットです。

2019年初頭、カクタスでは1000人以上の従業員に働きかける人事チームの努力を補うツールが検討され始めていました。カクタスのビジネスパートナーおよび人事オペレーション部門のアソシエイトディレクター、アロカ・パルレカーは「当社のようなペースで従業員数が増加すると、人事チームはいずれ従業員一人一人とつながりを持つことが難しくなってしまうと気づきました。有意義な洞察を得、適切な意見に基づきリアルタイムで行動できるようになるスケーラブルなソリューションを見つけなければなりませんでした」と話します。

カスタマイズ可能で、使いやすく(つまり導入しやすく)、リアルタイムでのデータ収集といった、カクタスの人事部が求める要件をAmberはすべて満たしていました。導入が確定したのは、パンデミックが大きく報道され始めた頃です。本社であり従業員数が最も多いムンバイオフィスを含め、グローバルオフィスを在宅勤務モデルに移行するとカクタスが決定したことで、このようなツールの必要性がより一層増したのです。

人事部は当初、Amberの全社導入に懐疑的でした。従業員は上司や人事担当者と顔を合わせて問題を話し合うことに慣れていたからです。

そこで3カ月間、2つのビジネスユニットでAmberの試験運用を行った結果、試験段階で60%の採用率という心強い反応を得られました。その後、インドの全従業員へのAmber提供を決めると、わずか3カ月で69%の採用率に達しました。2021年1月の時点でAmberは8つのグローバルオフィスで97%以上のカクティズン(カクタス従業員)に働きかけ、約1500件のインタラクションを開始し、1050件以上のレスポンスを得ています(レスポンス率:70%)。

Amberの最大のUSP(独自の強み)は、従業員の秘密を厳守する点にあります。データやレスポンスを見ることができるのはそれぞれのHRビジネスパートナーだけであるとアロカは説明しています。チャット開始時に信頼ステートメントを表示し、誰が会話を閲覧できるのかを知らせるので、従業員が率直かつ積極的に話せる確かな場がつくり出されます。

出典:InFeedo.com

詳細なフィードバックがある場合は、まずHRビジネスパートナーが従業員と話し合い、当人の承認を得てから、他者との情報共有を伴う次の段階へと進みます。また、従業員は匿名でチャットすることも可能です。その場合、ニューヨークに拠点を置くAmberの開発企業、InFeedoでさえ、回答者が誰であるかを知ることはできません。

現在Amberは、(入社日から)15日目、30日目、45日目、90日目、6カ月目、1年目、その後は1年ごと、という形で在職期間の節目を基準にインタラクションを開始しています。それぞれの節目に、職場への溶け込み具合、ワークライフバランス、キャリア開発、パフォーマンス、上司など、あらかじめ設定された項目について、その節目到達に適した質問をします。

Amberのおかげで、カクタスの人事部はより効率良く従業員へ働きかけることができるようになりました。在職期間中の重要な節目ごとに人々の気分や意向を把握するための信頼できるスケーラブルなソリューションが提供される上に、ダッシュボード上で採用率やエンゲージメントスコア、ネットプロモータースコアなどに関連する分析結果をHRビジネスパートナーが閲覧することもできるのです。

出典:InFeedoのマーケティング資料

さらにAmberは、離職リスクや不満のある従業員(緊急性の高い調査を要するケース)に注意を向けるのにも役立つので、HRビジネスパートナーはより迅速なリテンションインテリジェンスを得られます。「私たちはカクティズン全員にきちんと気を配りたいと思っていますが、一対一の交流によって問題を発見するのはほぼ不可能です。Amberを使えば、より迅速に従業員の雰囲気を把握し、注意を払う必要のある人々を特定することができます」とアロカは言います。

カクタスの最高人事責任者、ヤシュミ・プジャラはAmberのもたらす影響について「カクタスの人事部の任務は常に、カクティズンを最優先することです。私たちは長年にわたり、そしてこのパンデミックの一年は特に、カクティズンのメンタルヘルスや一般的なウェルビーイングに取り組むためにいくつかの対策を講じており、そうした対策のスケールアップだけはAmberに手助けしてもらえました。コンテストや体験談を通じて、チャットボットの認知度や信頼度の向上に努めています。カクティズンには、Amberが収集したデータは従業員をサポートするためだけに使用され、けっして従業員を評価するためのものではないことを知ってもらいたいと思います」と述べています。

Amberはこれまでに50カ国以上でメディア、銀行、サービス、ヘルスケア、FMCG(日用消費財)などさまざまな業界の100以上の組織に導入されています。

inFeedoの創業者でCEOのタンマヤ・ジェインは「何百万人もの従業員が、一日の仕事を始めることに無意識に抵抗を感じるようになっています。心配事を聞いて心に留め、優先順位をつけてくれる友人が職場に必要であるのは間違いありません。Amberはそうした職場の友であり、タタ・グループ、GEヘルスケア、レノボ、バーティ・エアテル、AXA、ITC、OYOなどの企業で30万人以上の従業員に話しかけ、経営幹部が従業員の意見を理解してリアルタイムに行動できるよう助けています」と語っています。

Infeedoはカクタスと提携し、最近共同開発した新たな拡張機能を公開しています。これらの拡張機能は従業員の進歩を促すと共に、従業員の意向についてさらに深い洞察を与えてくれるでしょう。

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