2023年7月26日

カクタス、日本の若手研究者を支援する「エディテージ助成金(Editage Grant)」の受賞者および次点受賞者を発表

科学コミュニケーションおよびテクノロジー分野で世界的に活動するカクタス・コミュニケーションズは、同社の研究者サポートブランド、エディテージ (https://www.editage.jp/ )によって実施された、日本の若手研究者を支援するエディテージ助成金(Editage Grant)プログラムの受賞者(受賞者5名および次点受賞者15名の合計20名)を発表しました。

2023年7月25日、日本・東京発:科学コミュニケーションおよびテクノロジー分野で世界的に活動するカクタス・コミュニケーションズ(Cactus Communications、本社:インド、https://cactusglobal.com/jp/ )は、同社の研究者サポートブランド、エディテージ (https://www.editage.jp/ )によって実施された、日本の若手研究者を支援するエディテージ助成金(Editage Grant)プログラムの受賞者(受賞者5名および次点受賞者15名の合計20名)を発表しました。

厳正な審査の結果、木村圭一氏(東京大学景観生態計画研究室)、藤田綾氏(オックスフォード大学)、中村尚司(九州大学)、王婷氏(北海道大学)、三好裕之氏(インペリアル・カレッジ・ロンドン)の5人が「エディテージ・グラント2023」受賞者に選ばれ、2023年7月21日(金)に三井ガーデンホテル銀座プレミアで開催された「エディテージ・グラント授与式&ミニシンポジウム・パーティー」で表彰されました。

カクタスCEO兼共同創業者のアビシェック・ゴエル(Abhishek Goel)は、「エディテージ・グラント2023」について次のように述べています。「CACTUSの理念は「人々が自らの最大限のポテンシャルに到達する手助けをすること」であり、これは日本の若手研究者が彼らの最大の可能性を達成するための取り組みでもあります。CACTUSはある日本人研究者との偶然の出会いから誕生した会社であり、私たち全員にとって日本は特別な存在です。日本の科学の発展に微力ながら貢献できることを大変嬉しく思います。」

 

カクタスの日本法人代表取締役であるである湯浅誠は、「エディテージ・グラント2023」受賞者について次のように述べています。「日本の学術界が直面する重大な課題の1つは、若手研究者への十分な支援が不足していることです。長時間労働、不安定な雇用形態、研究費不足などが要因となり、若手研究者たちは深刻なストレスを抱えています。カクタスでは、エディテージ助成金プログラムを通じて、若手研究者に対する資金的な援助だけでなく、エディテージやResearcher.Lifeなどの利用機会を提供し、彼らの創造的な研究アイデアを具現化するための支援をしたいと思っています。それにより、ミレニアル世代の研究者が次世代の学術界でのグローバルリーダーへと育つことを後押ししていきたいと考えています。」

 

エディテージ助成金(https://www.editage.jp/grant)について

エディテージ助成金プログラムは、自身の研究によって社会にインパクトを与えたいと願う若手研究者に、経済的支援、メンターシップ、キャリアガイドを提供することを目的としています。5名の受賞者に研究活動に関わるすべての費用に充当できる助成金として100万円が授与されます。この費用は論文執筆に限らず、調査や学会出席のための渡航費、物品の購入など用途を問わず利用できます。また、次点受賞者の15名には10万円分の支援が提供されます。

 

エディテージ助成金設立の背景について

 

世界をリードする科学コミュニケーションズ&テクノロジー企業であるカクタスは、日本で事業を開始しました。カクタスの旗艦ブランドであるエディテージは、英文校正、翻訳、文字起こし、出版支援サービスを通じて、2,000を超える分野の学術誌で、約 200 万の研究論文を出版する50万人の研究者をグローバルに支援してきました。エディテージ助成金は、日本の若手研究者のキャリアを支援し、彼らの研究活動促進を目的に設立しました。また、この学術研究育成をさらに促進するため、エディテージでは、選ばれた研究者にワークショップ、セミナー、講座、1対1のメンターシップなどの機会を提供します。

 

 

受賞者5名および次点受賞者15名について

 

「エディテージ・グラント2023」受賞者5名の氏名、所属、職位、研究分野・研究概要は以下の通りです。

 

  1. 氏名:木村圭一

大学/所属機関:東京大学 緑地創成学研究室

職位:博士課程学生

研究テーマ:

Land greening by cyanobacteria

シアノバクテリアによる土地の緑化

 

「バイオクラストは、土地の砂漠化と闘うための新しい戦略となりえます。バイオクラストは効果的ではありますが、風による生態系の破壊に対して敏感であるという課題があります。今回提案された研究では、光合成の阻害、湿度の除去、および土壌の除去/追加といった風による相乗効果がバイオクラストに及ぼす影響を研究し、より良い土地再生戦略の実装についての示唆を提供します。

 

 

  1. 氏名:藤田綾

大学/所属機関:オックスフォード大学

職位:博士課程学生

研究テーマ:

Effectiveness of School-based Mental Health and Psychosocial Support Interventions for Refugee and Internally Displaced Children in Low- and Middle-Income Countries

低所得および中所得国における難民や国内避難民の子供たちを対象とした学校ベースのメンタルヘルスおよび心理社会的支援介入の効果について

 

「2022年6月から8月にかけて、学齢期の難民子どもに対する心の健康と心理社会的支援(MHPSS)介入の有効性について、22の研究を対象に系統的レビューとメタ分析が行われました。その結果、機能的障害と心的外傷後ストレス障害の低減においてはポジティブな効果が見られましたが、うつ病、不安症状、および心的外傷後ストレス症候群の軽減には効果がみられませんでした」

 

 

  1. 氏名:中村尚司

大学/所属機関:九州大学

職位:博士課程学生

研究テーマ:

The vision of the scientist and the pharmacist in the era of immunotherapy

免疫療法の時代における科学者と薬剤師のヴィジョン

 

 

「白血病患者は、しばしば造血幹細胞移植後に、移植片の免疫細胞が患者の体内の細胞を攻撃する移植片対宿主病(GVHD)を発症します。この状態は、移植片の免疫細胞を抑制するための薬剤であるタクロリムスの存在下でも発生します。私たちの体の免疫細胞に発現するトランスポーター分子であるP-糖タンパク質は、細胞内の薬物を排出することによってその生物学的利用可能性を減少させることが示されています。提案されている研究では、この分子のGVHDにおける潜在的な役割を調査することを目的としています。」

 

 

  1. 氏名:王婷

大学/所属機関:北海道大学

職位:博士研究員

研究テーマ:

A necessary management framework for mitigating soil erosion issue in mountain national parks

 

山岳国立公園における土壌侵食問題を軽減するための必要な管理フレームワーク

 

「本研究では、SFM(運動からの構造)写真測量法と正規化された差分植生指数カメラを搭載したドローンを使用して、ネパールと日本の特定の国立公園におけるキャンプ地の標高変化と植生回復の証拠を検出しています。これらのツールは、山岳国立公園のトレイルやキャンプ地における土壌侵食の監視に効果的であり、他の新しい技術と組み合わせることで、国立公園管理者がこれらの地域をより良く維持するのに役立ちます。」

 

 

  1. 氏名:三好裕之

大学/所属機関:インペリアル・カレッジ・ロンドン

職位:博士課程学生

研究テーマ:

The Stability Analysis of Superhydrophobic Channel Flows

超撥水性チャネル流の安定性解析

 

 

「超撥水表面は、微小な溝内に液体を閉じ込めることで液体を反発させます。しかし、溶存空気のせいで液体が溝に浸入すると、表面の耐久性が低下します。等角写像を使用し、電気容量問題としての空気の溶解を解くことで、空気の溶解速度とそれに伴う表面の耐久性を推定することができます」

 

「エディテージ・グラント2023」の次点受賞者は15名です。そのうち記名にご了承いただいた13名の方は以下の通りです。

 

 

・氏名:吉岡 毅

大学/所属機関:京都大学

職位:博士課程学生

研究テーマ:

Application of cognitive psychology into vocational rehabilitation: A researcher as a clinician

職業リハビリテーションへの認知心理学の応用:研究者としての臨床家

 

・氏名:中原理沙

大学/所属機関:アイオワ大学

職位:博士課程学生

研究テーマ:

The history of higher education and the history of women in science

高等教育の歴史と科学における女性の歴史

 

・氏名:土方 禎裕

大学/所属機関:新百合ヶ丘総合病院/東京歯科医科大学

職位:医療専門家

研究テーマ:

Research on trends of cardiovascular disease using national cohort data

全国コホートデータを用いた心血管疾患の傾向に関する研究

 

・氏名:譚瀟洋

大学/所属機関:地球環境戦略研究機関(IGES)

職位:研究員

研究テーマ:

Toward sustainable and resilient city through urban green infrastructure (UGI): integrative urban tree-based ecosystem services assessment and planning

都市緑地インフラ(UGI)を通じた持続可能で強靭な都市への取り組み:統合的な都市樹木をベースにした生態系サービス評価と計画

 

・氏名:寺尾 俊紀

大学/所属機関:岡山大学病院

職位:大学院生

研究テーマ:

Translating clinical research into basic research to cure and prevent graft versus host disease

移植片対宿主病の治療と予防にむけた臨床研究から基礎研究への転換

 

・氏名:湯浅 大史

大学/所属機関:藤田医科大学

職位:博士課程学生

研究テーマ:

Analysis of the mechanism controlling B cell receptor signaling by glycosphingolipid CD77

スフィンゴ糖脂質CD77によるB細胞レセプターシグナル制御機構の解析

 

・氏名:大森幸恵

大学/所属機関:九州大学

職位:博士課程学生

研究テーマ:

Elucidation of genetic determinants of PARP inhibitor resistance and development of methods to overcome such resistance in breast cancer

乳癌におけるPARP阻害剤耐性の遺伝的決定因子の解明とその克服法の開発

 

 

・氏名:吉原 育実

大学/所属機関:順天堂大学浦安病院

職位:博士課程学生

研究テーマ:

Improvement and suppression of septic muscle atrophy by AMP administration

AMP投与による敗血症性筋萎縮の改善と抑制

 

・氏名:ゴン・ルイ

大学/所属機関:目白大学

職位:講師

研究テーマ:

An IoT device for mitigating smartphone-induced repetitive strain injuries (RSIs) in finger soft tissues

スマートフォンが誘発する指軟部組織の反復疲労損傷(RSI)を軽減するIoTデバイス

 

・氏名:沼田 賢治

大学/所属機関:聖マリアンナ医科大学病院

職位:医療専門家

研究テーマ:

Medical Professional Topic: End-of-Life care in emergency medicine

医療従事者のトピック: 救急医療における終末期医療

 

 

・氏名:田原 瑠衣

大学/所属機関:宇宙航空研究開発機構(ISAS)

職位:研究員

研究テーマ:

A comparative study of the asteroid Ryugu samples between micro- and nano-CT imaging systems

マイクロCTとナノCTによる小惑星リュウグウ試料の比較研究

 

・氏名:内藤 千絵

大学/所属機関:シンシナティ小児病院医療センター

職位:研究員

研究テーマ:

Investigation in the pathophysiology of progressive familial intrahepatic cholestasis

進行性家族性肝内胆汁うっ滞症の病態生理学的検討

 

・氏名:シャリファ・ムナワラ

大学/所属機関:筑波大学

職位:博士課程学生

研究テーマ:

Towards a trustworthy collision system for autonomous vehicles with AI

AIによる自律走行車の信頼できる衝突システムに向けて

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